アルコール依存症の家族にできること。支援に迷うときには?

 

どうも、こんにちは。
精神科作業療法士の大祐です。

 

以前のこのブログで、アルコール依存症を支える家族の治療が最優先ということを記事にしました。

参考記事→アルコール依存症を支える家族の回復。最優先にする治療です。

 

その中で、なかなかアルコール依存症の人が病院を受診しないと悩んでいる家族にコミュニケーション技術のノウハウを教えていると書いたのですが、それを今日は簡単に説明していきたいと思います。

 

その技術とは、「CRAFT(クラフト)」というコミュニケーションスキルになります。

 

このスキルを学ぶことで、アルコール依存症の本人とコミュニケーションが取れやすくなります。

 

ただし、これは実際に行動に起こそうとすると、難しい場面もあるのと、いざ使うとなるとどこか恥ずかしい気持ちになったり、また、ここまで迷惑かけれたてさらに、こんなことまで・・と思ってしまうかもしれません。

 

実際に相談に来た家族の中で、こういう感情を教えてくれた人もいました。

 

それでも、効果があるという報告も多く、試してみる価値はあると思っています。

 

アルコール依存症の家族ができることということで、CRAFTとはどういうコミュニケーションスキルなのかということを書いていきますね。

CRAFTの3つの目標

1.大切な人の有害な飲酒、薬物使用を減らすこと

2.大切な人に治療を開始させること

3.家族の機能を向上させること

 

これが大きな目標として作られています。

 

治療を開始させるタイミングも重要であり、これも、大きく分けて3つあります。

 

誘うタイミング

1.本人が飲酒や、薬物に危険や後悔している時

2.家族治療がどのようなものか本人が尋ねてくる時

3.最近、家族の、態度が変わったのか本人が知りたがっている時

 

そして、ここからはクラフトの大枠について説明しますね。
最初から全て出来る人はいません。まず全体像をつかんで欲しいと思います。

 

1.私を主語にして話す
2.簡潔に話す
3.肯定的に話す
4.具体的に話す
5.自分の感情に名前をつける
6.思いやりのある言い方をする
7.部分的な責任を受け入れる
8.支援を申し出る

 

これがクラフトというコミュニケーションスキルです。効果的なコミュニケーションスキルを使うことで、我慢せずに、黙らず、喧嘩にもならず、自分の気持ちを伝えることができるようになります。

さらに、家族が望んでいることを達成しやすくなりますし、相手からの防衛的に身構えることも少なくなります。

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1,私を主語にして話す

例えば、相手と喧嘩になってしまったときをイメージします。
主語があなたである場合は、

「あなた、また、隠れて飲んでるんでしょ。」

こういう言い方になることが多いです。これを私を主語にして話すと、

「私、どうしても隠れて飲んでいるるじゃないかって疑ってしまうのだけど、どう思う?」

私を主語にすることで、私はこう思っているということを伝えることになるので、相手も悪い気持ちを起こしにくくなります。

2,簡潔に話す

これも例をだして伝えますね。これも、喧嘩になっているときをイメージします。

 

「飲んだら、ああなることくらい子供でも分かるわ。なんで、あんたにはそんなことも分からんのんかな〜。大人でしょ?あんな醜態見せて恥ずかしくないの?後始末するの全部わたしんなんよ・・」

 

言いたい気持ちは、とても分かりますが、これではほとんど相手には届きません。耳を塞いでしまってしまいます。

 

これを簡潔に話すと、

「昨日の出来事なんだけど、どんな感じだった私は説明しておきたい思うのだけどいい?」

こんな感じで、淡々と伝えるのがポイントです。

 

3,肯定的に話す

「酒をやめなかったら、肝硬変になって肝がんになって死ぬよ。」

 

恐怖を伝えることで分かって欲しい気持ちになるのですが、これも相手には響きません。

 

肯定的に話すとすると、
「今、酒をやめたら、肝臓も元気になるし、吐血する心配をかなり減ってくるよ」

こんな感じです。

 

4,具体的な行動に言及する

仕事の休みの時に家で横になっているのを見て
「休みの日くらい父親らしいこととかできんの??」

 

と強く言ってしまいがちなのですが
「せっかくの休みだし、子供連れて公園とかに遊びにっていってくれたらわたしは嬉しい。」

 

具体的にどうしてほしいかを伝えてみるのも一つのポイントです。

 

5,自分の感情に名前をつける

喧嘩になって自分の気持ちが分かってくれないと感じるとときに
「あなたは、人の気持ち、全然分からない人ね。私が今までどんな気持ちで毎日夜遅くまで起きてあなたをまっていたか分かる??」

 

どんな気持ちだったかを具体的に伝えるように意識してみると
「私は、毎晩遅くまで一人でいるのは寂しい。それにとても心配な気持ちになる。」

 

あくまで例ですが、このように自分が抱く感情に名前をつけてみるのがポイントです。

 

6,思いやりの言い方

これは、診察を行くといって忘れていたときの場面を想像して言うと
「なんで、診察いかんかったん?忘れてた?何考えてるの?、こんなんだから、いつまでも自分の思いにならないんよ。」

 

思いやりの言い方を意識すると
「診察いかなかったん?私もメモするの忘れていたから駄目だったわ。カレンダー書いておくな。」

 

7,部分的に責任を受け入れる

抗酒剤をのんでいなかったことが分かった場面だったとして、

 

「抗酒剤飲んでなかったの?なんで?誰のために毎日クスリ用意してると思っているの??」

 

これを一部責任を受け入れることを意識すると

「ごめんな。抗酒剤飲んだあとは、お互いに話しする約束だっとよね。サボっていたね。今度からはきちんとするからね。」

 

8,支援を申し出る

「あなたのお酒のせいでみんな迷惑してるのが分からんの?もうヘトヘトなんよ。どうしてくれるの??」

支援を申し出る意識をもつと
「お酒なんとかしたいと思ったら何でも言ってほしい。協力するから」

 

まとめ

アルコール依存症の家族ができることについて書いてきました。

 

8つ紹介しましたが、これを全部できる人は、まずいません。かなり迷惑をかけられている事実がある家族ならなおさらです。

 

しかし、最初の私は〜思うという伝え方だけでもいいのでぜひ、試してみて欲しいと思います。

 

これだけでも大きく相手に与える印象は変わります。

 

実際に、この言い方に変えるだけで、病院受診につながったケースもあります。

 

家族の精神的負担を少しでも軽減できるようになってほしいと私は願っています。