アルコール依存症でも節酒はOK?最近の医療現場の考え方。

こんにちは。
精神科作業療法士の大祐です。

 

今回のテーマとして
「アルコール依存症は節酒でOK?最近の医療現場の考え方とは」

について書いていきます。

 

アルコール依存症専門病棟で勤めているときに
よく患者さんから言われていたのが

「断酒って入院中ならできるけど退院したら絶対ムリだと思うわ・・」

その言葉を聞いて最初の頃は
「確かに・・」
なんて思ってしまう自分がいました。

 

なぜならアルコール依存症は
飲みたい衝動を抑えることが
できない病気だからです。

 

飲むことを辞めれない
病気の人が飲まないというのは
非常に難しいことと誰でもイメージできると思います。

 

特に毎日飲酒されている習慣のある人は
より納得されます。

 

ここで最初に伝えておきたいことがあります。

 

それはアルコール依存症治療で節酒という考えについてです。

 

この考え方について勘違いされている人も多いので
医療現場で考えられている
節酒について話しをしていきますね。

 

節酒の話しをする前に
すでにアルコール依存症を診断されている人は
断酒しか方法はありません。

 

節酒は危険飲酒をしている人が
近い将来あアルコール依存症にならないための
方法になります。

 

アルコール依存症と診断されている人数

アルコール依存症と診断される人って
全国に5万〜6万人と言われています。

 

しかし、病院に通院していないだけで
病名を言われていない危険飲酒をしている人は
全国に約100万いると言われています。

 

さらにその予備軍と言われる人は
全国で約800万人とも統計が出ています。

 

この数字を見てどう思いますか?

 

ここで注目するべきは
病院に通院している人が
圧倒的に少ないということです。

 

病院を受診しない一番の理由

考えてみると納得するのですが

多くの人はアルコール依存症と診断されると
「断酒しなさい」と言われることが
分かっているので
なかなか受診しようとしません。

 

さらに本人もアルコール依存症という
自覚はほとんどありません。

 

ブラックアウト(記憶がなくなる)や
暴言、暴力をふるって人間関係で
トラブルになっていても、
仕事前に酒を飲んで出勤するなどの
行動が頻回にあったとしてもです。

 

特にアルコール専門治療病棟のある病院はそんなに
ありませんのでより治療に向く足が遠のきます。

 

一日断酒が基本

実際の治療とは言うとやはり
基本的には一日断酒です。

 

このスタンスで病院側は
治療を進めてきていました。

 

もちろん今現在もです。

 

しかし医療スタッフ側も
先程の数字については考えていました。

 

「アルコールで困っている患者さんは多くいることは分かっているに・・」

「もっと医療に繋がる方法はないのか・・」

断酒しか方法がない今の医療に対して
「本当にこれでいいのか・・」

という声が上がるようになってきました。

 

ここで焦点が当たったのが
節酒という考えです。

 

節酒については昔から言われていることでしたが

「休肝日はとってくださいね」

という言葉だけで本人に合わせた
具体的な日数、量については
あまり触れられていませんでした。

 

その抽象的だった節酒について
具体的な相談・治療を進めて
いこうという考え方です。

 

これはアルコール依存症予備軍にあたる人に
向けての方法となっています。

 

残念ながらアルコール依存症とすでに診断されている人は
節酒という選択は非常に難しいと思います。

 

なぜなら、酒のコントロールが全く効かない状態が
アルコール依存症だからです。

 

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節酒の話に戻りますが
まず、今の自分の飲酒量とその危険度について知ってもらいます。

 

飲酒チェックツールというのがあるのですが
だいたい3分間くらいで飲酒量について調べることが出来ます。

 

もし気になる方はgoogle検索で
この言葉を入れてチェックしてみてください。

→SNAPPY-CAT

 

まとめ

アルコール依存症の節酒という治療について
書いてきました。

 

ここで大切なことは手遅れになる前に
専門の治療を受けて欲しいということです。

 

アルコール依存症は怖い病気です。

 

この病気になるといろいろな
大切なものを失っていきます。

 

健康も、お金も、人間関係も、
信用も、家族も・・

 

そうなる前に今の時点で酒でこのような
経験をもっているなら病院受診をおすすめします。

 

・最近以前に比べ飲酒量が増えてきた

・どうしても飲まないと眠れない

・嫌なことがあると酒をたくさん飲んでしまう

・酒を飲むと気が大きくなって人に絡みに行く

・暴言が多くなってトラブルになったことがある

・記憶がなくなったことがある

 

アルコール依存症はいきなり
発症する病気ではありません。

 

毎日の飲酒の積み重ねが
病気を少しずつ進行させていきます。

 

もう一つ
アルコール量については
個人差がかなりあります。

 

あの人と比べて飲んでいない
もっと酒豪はたくさんいる

という比較は全く意味がありません。

 

 

今年から始まった新しい窓口が
節酒外来というのが立ち上がりました。

 

今はまだほんの一部の病院だけですが
いずれ他の病院にも立ち上がっていくと思います。

 

大好きなお酒が一生飲めなくなる
身体になるまえに早めの行動が重要です。

 

アルコール依存症の危険がある人に節酒という
新しい取り組みについてでした。