パーソナリティ障害の特徴。治療して気付いたこととは?

こんにちは。
精神科作業療法士の大祐です。

 

精神科に勤務していて
「パーソナリティ障害」の治療になると
かなり覚悟が必要だと常々感じています。

 

なぜ覚悟がいるかというと
パーソナリティ障害の特徴として
どんどん相手を巻き込もうとする
やりとりが見られるからです。

 

今回、私が治療で体験したことや
教科書に書いてある内容とは違うと
感じることについて書いていきます。

 

パーソナリティーとは

医学的に言われている文章を
そのまま伝えるとこう書かれています。

 

「精神身体組織をもった個人内の
力動的体制であってその人の特徴を表す
行動と思考とを決定するもの」
(医学大辞典)

 

これを読んでも全く意味が分かりません。

 

これを非常に簡単な言葉でまとめると
その人が
1,その事象をどうのように受け止めたのか?
2,受け止めた事をどう考えたのか?
3,その考えによってどう行動するのか?

この一連の流れのことを
パーソナリティと言います。

 

これをもっと簡単に説明すると
仕事場である人に挨拶したけど返事がなかったという
ことがあった場合

 

・「あ、返事がなかった。聞こえなかったのかな」
と受け止め
・「考え事をしていたのかもしれない」
と考える
・「次はもっと大きな声で相手の名前を
言ってから挨拶しよう」
と次の行動に出る

 

こんなイメージです。

 

このパターンが人によって
受け止め方が変わり
考え方が変わり
行動が変わるというのが

その人のもつ
パーソナリティです。

 

パーソナリティ障害とは

1〜3の感じ方の1つ以上が
大多数の人が考えるであろうことと
大きく異なるときに、その人の
パーソナリティに何らかの障害が
あることが疑われる言われています。

 

男女比としては
1:2と言われていますが
病院に受診してくる人は
圧倒的に女性が多いように感じています。

 

これは、病院に受診に来る人が
女性が圧倒的に多いからというのが
一つの理由ではないかと。

 

パーソナリティ障害の症状の見解

代表的な症状の一つとして

「現実やまた想像の中で見捨てられること
を避けようとした、なりふりかまわない
努力」というのがあります。

 

この表現は治療に入っていて
少し違和感を感じます。

 

私が感じる
パーソナリティ障害の人は自分に対する
絶対的な利益が減ることに不安を強く感じている人
です。

 

パーソナリティ障害の人は
大多数の人には対してはとても希薄な関係をもつが
自分に対して利益をもたらしてくれる特定の
人との関係においてはしがみつこうとします。

 

これが見捨てられ不安です。

 

しかし、自分に対する利益が減ってくると
その不安から逃れるために非常に大胆な方法を使い
関係を断ち切ってしまうことも度々あります。

 

そのため、この病気の人は
見捨てられ不安を常に抱えていると
思われがちですが、実際は
自分への利益が減るとばっさり
関係をきります。

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症状の一番特徴的なもの

見捨てれ不安よりも
もっと特徴的な症状があります。

 

それが医学的な言葉でいうと
「理想化とこき下ろしとの両極端に
揺れ動くことによって特徴づけられる
不安定で激しい対人様式」です。

 

医学的な言葉を使うととても
難しいので簡単に書いてみると

自分の体験しているを特定の相手も
完全にそのままの形で体験していると考えており
そのときの傷の痛みも心の痛みも
自分が感じているものも
相手も同じように感じていると
信じて疑わないところです。

 

そのため
自分にかけてほしい言葉や
自分がとって欲しい行動は
言葉に出さなくても分かるはずだから
言う必要もないと考える傾向にあります。

 

たまたま望む考えと合致していれば
納得するのですが
考えが不一致であると
全く理解してくれない無能な人間として
こきおろすようになります。

 

さらにこれも特徴的なのですが
自分の望む答えより優れた回答がでたときも
怒り出すことがあります。

 

彼らにとって
質が良いか悪いかではなく
考えの一致しているのかしていないのかが
全ての価値判断になっていることです。

 

そのため不一致であると
このことに耐えきれず極端に抑うつ的になったり
相手の責任にして呪ってきたり、暴れてみたり
という行動にでることがあります。

 

 

自傷行為の繰り返す本当の意味

最初のころに行う自傷行為の目的は
「相手の気を引く振り向かせること」である
ことがほとんどです。

 

これは彼らにとっては
眼の前で自傷行為をすることで
相手が自分に何をしてくれるのか?
裏切ったりしないか?
ということを確認しています。

 

しかし、この行動にはもう一つ
意味があります。

 

それは自分の限界になりつつある
精神状態をなんとか安定させようとする
彼らが身につけた防衛手段であるという
ことです。

 

むやみに危険だからと自傷行為を禁止することは
彼女たちから「生きていきたい」と希望を
奪うことになります。そのため安易は禁止は
逆効果になることが多いです。

 

まとめ

パーソナリティ障害の特徴として
行動や特徴、その意味について書いてきました。

 

精神科でパーソナリティ障害の人の治療は
とても大変です。

 

そしてその本人たちもどうにかしたいと
強く願っていることが多いです。

 

この病気は治るのかと聞かれたら
誤解をおそれずにいうなら完治はしないと
いうことです。

 

これは
本人たちの考えるものさしが普通の人のものとは
全く別ものだからです。

 

よって完治はできません。

 

しかし、その独特なものさしに対して
新たな考えや価値観という
もう一つのものさしを訓練して
もてるようになることが大切です。

 

完全に足が切断されたひとが
元に戻らないけど
義足という新しい道具と価値感を
いれることで一般のひとより
高い能力を引き出すことができたりしますよね。

 

これと同じで
独特のものさしはもっていても
それとは別の価値観や考えを
新たに治療で身につけることで

考え方に一定の幅を与えることができると
考えています。

 

対人関係においても
この考えの幅が広がる分
全くないときに比べて
生きやすさは格段にあがると感じています。

 

そのためにも
適切な治療を早めに受けることが
もっとも大切なことです。