うつ病で迷惑をかけたくない。重症化している危険な理由とは?

 

こんにちは。
精神科作業療法士の大祐です。

 

最近の精神科で入院治療を受ける人は
うつ病が統合失調症の人より増加傾向にあります。

 

うつ病にも多様性があり、個人で
その病状や悩みは違います。

 

そこで今回は、うつ病で迷惑をかけたくない
と感じて苦しむ人に焦点をしぼって、
よく見られる症状や、言動、そして
作業療法でよく使う治療について書いていきます。

 

無価値感という病状

うつ病になると、「自分が価値がない」と感じたり、
自分を責める気持ちが強くなったりします。
これを「無価値感」と言います。

 

「自分はものすごく他人に迷惑をかけている」
「自分がいると、会社の足を引っ張る」
「私のせいでみんなが迷惑する」
「自分は生きている価値のない人間だ」

といった思いが出てきます。

 

その多くは「妄想」と言っても良いものなのですが、
本人にとっては絶対的な真実となっています。

 

うつ病の3大妄想

うつ病のときには、3大妄想が起こりやすくなります。

 

心気妄想

「こんなに胃が痛むという事はきっと重い病気だ」
「きっとガンに違いない」

 

心配で検査を受けるが問題がないとわかっても、
「そんなはずはない。告知してくれないだけ」
と考えて妄想膨らませていきます。

 

貧困妄想

「こんなに仕事ができなかったら会社をクビになる」
「どこも雇ってくれないだろうし、どんどん貧乏になる」
「貯金もないしもうダメだ」

といった考えが浮かんできます。

この考えが抜けなくなり、いっそう抑うつ気分が強くなります。

 

罪業妄想

「私はいろいろ悪いことをしてきた罪深い人間である」
「みんなに迷惑をかけてしまった」

という思いが浮かんできます。

 

さらに進行すると、
「自分の人生はもう終わった」
といった気持ちにつながることもあります。

 

こうした妄想が出てきて
悲観的な思いがいっそう強くなります。

 

もともとは、何の根拠もない妄想にもかかわらず、
その妄想が自分を苦しめて
うつ状態が深刻化していきます。

 

死について考える

うつ病のときには、思考力や判断力の低下も起こります。

 

「自分は何をやってもダメだ」とか
「自分はいてもいなくてもいい人間」という
悲観的な考えが頭を支配し、判断力に影響を受けます。

 

そのため1つのシナリオしか考えられなくなり、
他のシナリオに全く目が向かなくなるのです。

 

シナリオの中には、死についてのシナリオもあります。

 

「死んで償おう」というのが代表的なシナリオでしょう。

 

しかし、他にも方法はたくさんあり、
他の解決策も存在するにもかかわらず

 

死ぬという1つの考えいつか見えなくなってしまい
そのことを考え続けてしまいます。

 

この「死」について繰り返し考える事は、
うつ病の大きな特徴の1つです。

 

うつ病の人は、「消えてしまいたい」
と言うことがあります。

 

これが自殺念慮の1つです。

 

自殺の思いが強い人は、入院治療も含めて早急な治療を必要です。

 

うつ病のときには、思考力や判断力が低下していて
適切な判断ができなくなっていますので
周囲の人のサポートは不可欠です。

 

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うつ病の治療法について

うつ病は身体、精神に大きな影響及ぼす病気ですが、
その結果として、日常生活に支障がでたり
仕事する能力も失われたりします。

 

うつ病の治療にはいろいろなものがありますが
脳の状態を改善するだけでなく社会で過ごすための回復に
結びつけていくことも非常に大切です。

 

この中で特に作業療法が得意とする治療法について書いていきます。

 

認知行動療法

認知を変えることで、気分を変える治療法です。
もともとは欧米で広がったものであり
日本でも徐々に効果が認められてきています。

最近は軽症のうつ病の場合は、安易に薬の治療ではなく
この認知行動療法が注目されています。

 

心理教育

うつ病についての理解を得てもらい、治療法の説明と改善までの
経緯などを伝える教育的なものです。

これはうつ病を看病している家族に対して行う場合もあります。

 

例えば、家族の中には
「精神がたるんでいるから、こんな状態になったのではないか」
といった考えを持っている人がいます。

 

病気の症状であることを説明し、
家族も、積極的に治療に関わることの大切さを伝えています。

 

環境調整

「働きすぎ」という外の影響を大きく受けて、
うつ病になってしまった場合は、薬だけでは改善しません。

原因となっている要素を取り除くほうが、
薬を飲むより効果が大きい場合もあります。

 

生活調整

うつ病の人は、不眠や日内変動があり、
一般の人と生活リズムがずれてしまうことがあります。

睡眠薬だけで不眠が解消できるとは限りません。

食事、外出、適度な運動。
これらを含めて生活リズムを整えていくことで改善を促進します。

 

特に職場復帰を目指している人は、
生活リズムを整え、定期的に外出するなど
リハビリ的な生活調整がスムーズな職場復帰につながりやすいです。

 

運動療法

適度な運動は、うつ状態の抑止効果があると考えられています。
どの程度の量の運動がどの程度の必要かということは
明確になっていませんが、一般論として
適度な運動は、心身に健康に良い影響を及ぼします。

 

まとめ

うつ病で迷惑をかけたくないと悩む人向けに
書いてきました。

 

「迷惑をかけたくない」と無理しすぎることが
どのくらい危険かを知ってほしいと思います。

 

そもそも、生きていれば
必ず大小なり迷惑をかけてしまうものです。

 

この世の中に迷惑をかけていない人なんて
いません。

 

もっというと迷惑をかけないように
したところで迷惑と感じるのは相手です。

 

相手が、どう感じるかまでに責任をとる必要は全くありません。