こんにちは。
精神科作業療法士の大祐です。
突然ですがあなたは
理由はないけど不安に
感じたことありますか?
なんとなく不安がある。
漠然とした不安に襲われる。
ぼんやりとした不安がある。
現代は不安の社会と
言っても過言ではないくらい
不安を感じやすい世の中になっているように
感じています。
不安ってそもそも
なぜ私たちの中に
存在しているのでしょうか。
考えたことありますか?
先に結論をお伝えしますと
不安とは
心のアラーム機能です。
この機能は
あなたが生きていく上で
正体の分からないものに
出くわした時に
生存の危機を感じて
事前に対策をたてられるように
不安というアラームを
鳴らしているのです。
しかし現代に生きる
私達の不安のアラームは
誤作動を起こしやすいと言われています。
この理由について
これから詳しく書いていきますね。
この記事のポイントとしては
・不安は昔の今で質が違うこと
・現代の不安はこじれやすい要因
・不安の誤作動が起こる原因
が分かるようになります。
それでは詳しく説明していきますね。
不安は昔と現代で質が違う
イメージしてみてくださいね。
あなたは太古の昔に生きているとします。
サバンナ、あるいは
森林の生い茂る場所にいることを
想像してみてください。
森の奥には猛獣が影をひそめており
近くの草むらには毒をもつ
植物がたくさん生えている。
その場所から生きて帰れるかすら
保証されていないような場所だとしたら
不安でたまりませんよね。
ただしこの状況の場合
対処方法としては
非常にシンプルです。
なぜなら
もし仮に猛獣に襲われたとしても
戦うか逃げるかという
二択になるだろうし
もし仮に毒がある植物ばかりで
食べ物がなかったとしても
さらに場所を変えて探すか
空腹に耐えるという選択肢に
なると思います。
言ってみれば
この不安は
はっきりとした不安とも
言えますよね。
現代の不安
それでは現代の不安は
どうでしょうか?
もしあなたが労働環境の悪い会社に
勤めていたとして
今後の生活を考えて
すぐに退職するべきか
または別の方法を探すかと
言われた場合
なかなか判断しにくいものです。
さらに言うなら現代特有なものとして
コミュニケーションの不安です。
SNSのおかげで
交流できる人の人数は
爆発的に増えましたが
ネット特有の匿名という
安心感により
必要以上に攻撃な発言をしてしまったり
自分に対して激しいバッシングな
コメントがくる場合もあります。
この心理的なダメージは
ネットがない時代では
考えられないことです。
現代の不安は非常に
ぶんやりと見えにくく
昔の不安は
非常にわかりやすかったことが
言えます。
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現代の不安はこじれやすいのか
これは原因を考えていけば
いくらでも想像できますし
あなたも体験したこともあると思います。
例えば
不安定な仕事であったり
少ない貯金、身体の衰え、
大切な人がいなくなる不安。
いつもはっきりと
感じているものではないかも
しれないですが
頭の隅っこの方にいつもあって
何かの刺激で漠然として
不安を感じることがあります。
不安の誤作動が起こる原因
不安は心のアラームであると
最初にお伝えしましたが
なぜこのアラームが現代は
誤作動を起こすのか。
昔と現代の不安の違いから
はっきりしていることは
「未来の遠さ」です。
昔は未来の不安といっても
長くて24時間くらいなものです。
猛獣に襲われる危険は
その場所から離れると
いくらかは解消するでしょう。
しかし現代の不安は
未来の遠さを強く感じるものが
多いですよね。
もしかしたら
身体を壊すかもしれない。
もしかしたら
生活資金が尽きるかもしれない。
自然災害が起こって
家がなくなるかもしれない。
人によっては
明日起こるかもしれないし
10年たっても起きないかもしれない。
私達がもつ不安のアラームは
本来目の前に起こった
危険にだけ反応するようにできています。
しかし現代の不安は
いつこるのか分からないことに
反応しているため
誤作動がおこるのです。
この誤作動がずっと
続いてしまうと
自分はいったい何に不安に
なっているのか分からず
感覚としては
理由ないけど不安になってしまうのです。
まとめ
理由のない不安がどうやって起こるのかに
ついて説明してきました。
不安の解決策は何かないのかと
いうことになるかもしれませんが
別の記事でも書いていますので
そちらを参考にしてみてください。
理由のない不安は
遠い未来のことを
感じることで起こる誤作動です。

逆に言えば
今を生きていないということになります。
未来の不安を感じるのも
大切ですが
今生きているこの瞬間を
大切にするという視点も
忘れないでくださいね。